認知症介護の現実
こんにちは🌞ぷりんです✨
私は介護老人福祉施設、有料老人ホーム、小規模多機能型居宅介護、医療サービス付き住宅で介護士として8年勤めてきました。
中には重度認知症専門棟で働いていた事もあります。
そんな私が認知症介護の現実をお伝えしたいと思います。
まず、認知症とは?
皆さんご存知でしょうか。この記事を見ていただいてる方は、きっとよく知っている方ばかりかとは思いますが超簡単に説明すると、
「何らかの病気等によって認知機能の低下が持続的におきている状態」になります。
これは歳を取るとよくある「物忘れ」とは違います。病的に記憶障害や見当識障害(時間や自分のいる場所等が分からなくなる)などが起きている状態を言います。
「物忘れ」と聞くと、
・・・思い出そうと思ったら思い出せるでしょ‼️
と思いますが、「認知症」になると、
・・・思い出したくても思い出せない。事実として存在していない。
ということなんです。
これがどういうことか分かりますか?
実際にはご飯を食べていても
「ご飯を食べていた」という事実が消えてしまうんです。
であれば、「さっきも言ったでしょ!」「何回も同じことを言わせないでよ!」
なんて言葉は全く意味がないということです。
そんな認知症の方が集まる施設
想像してみてください。
・自分が歩けなくなってしまったことを忘れて車椅子から立ち上がり、歩こうとしたり
・何が食べ物かわからなくなってしまい、ティッシュペーパーや観葉植物を食べてしまったり
・感情のままに理性がなくなってしまい、他者と喧嘩になって殴りかかろうとしている人がいたり
その方の性格や生活歴や病気によって、さまざまな症状の見られる方がいらっしゃいます。
人間なので性格や価値観が違うのは当たり前ですよね?
それと同じです。
そんな方々が集まる場所が、認知症専門棟です。
上のような症状が出ている人が同時に現れたら
皆さんならどうしますか?
誰も怪我をさせる事なく、全てを解決できますか?
一つでも失敗してしまうと、それは事故になってしまいます。事故が起きるとどうなると思いますか?
家族様から
「何で転ばせたんですか?」「ちゃんと見てなかったんでしょ」「何で防げなかったんですか?」「母がそんなことするわけない。貴方達のせいでしょ。」
こんな理不尽な言葉を受けることがあります。
介護士もプロとして働いているので、こういった事故が起こらないように話し合ったり、対策をしたりします。
しかし、介助者と要介助者はお互いに人間です。
全ての事故をなくすことはできません。
介護業界は人手不足が深刻化しています。
実際に認知症の方が集まる場所であっても、見守りは1人で数十名を見なければいけない事がざらにあります。
そんな状況で全ての事故を防ぐことはとても困難です。
身内を施設に預けられている方には、ぜひ認知症介護の大変さを知ってほしいと思います。